Sentimental Favorite

ブログタイトルは今は亡きOwsleyことWill Owsleyの曲から

批評

Film : スパイダーマン ホームカミング

ここ最近、ミニシアターでジャック・ドゥミ『ローラ』、アニエス・ヴァルダ『5時から7時までのクレオ』と良き「映画」を観ていたので、『スパイダーマン ホームカミング』ちょっと落差が激しかった。 ① 撮影 夜間の撮影、というより照明が酷い。 光源がない…

Fleet Foxes - "Crack-Up"

2000年代は(少なくとも2010年あたりまでは)インディーロック全盛期だった。 あのテイラー・スウィフトだって「With some indie record that's much cooler than mine」と歌っていた。 ところが2010年代になって”ロック”なるものはかなり衰退したと思う。国…

2017年上半期ベスト映画

次点から(順不同) ・ローガン 照明が良かった、かなり気を使っていたという点で評価したい。ダフネ・キーンが口論した後に家を出て暗がりを歩き、ふと立ち止まって家を見る瞬間に彼女を照らす灯り。 ・ラ・ラ・ランド 映画なんて「嘘」なんだから、スクリ…

2017年上半期ベストアルバム(その②)

前回の続きです。順不同。 Power Trip - Nightmare Logic <コメント> 死ぬほど痛快でノレる、最高のロックアルバムだと真剣に思う。 とりあえずYoutubeで一曲聴いてほしい。冒頭のザクザク刻む、まるで80年代にタイムスリップしたかのようなリフに驚く。懐古…

Film : クーリンチェ少年殺人事件

Q1 一言でいうと? A 規格外。光と影の映画。 Q2 4時間は長かった? A これが意外と長く感じなかった。それはこの映画が「物語」の映画ではないからだろう。例えばトマス・ピンチョン的な、色々進行しているんだけど詰まるところよくわからないといった感覚…

Film:ローガン

youtu.be ーーーーー ネタバレありっす ーーーーー 例えばフークアの『ザ・シューター』だったり、コレッド・セラの『ラン・オールナイト』だったり、「無敵キャラの逃走劇」ってのはグッと活劇に寄せる、一種の完成されたフォーマットである。本作も御多分…

Film : 『メッセージ』

[http://:title] 最近、この手の映画が多い。 「この手」とはなんなのかというと、「わたし」の物語である。 「ムーンライト」はゲイの少年が青年になるまでの物語だったし、去年の『サウルの息子』だってまったくそういう映画だったし、『ラ・ラ・ランド』…

Film : 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

// 圧倒的な芝居の映画だ。 例えばルーカス・ヘッジズが墓地に行く途中で木の枝を拾い、柵に当てながら歩く。このシーン一つをとっても、わざわざ「枝を拾わせる」という演出がされていることで映画に「驚き」と「彼の子供らしさ」を印象付けている。 こうい…