Film : 『メッセージ』
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最近、この手の映画が多い。
「この手」とはなんなのかというと、「わたし」の物語である。
「ムーンライト」はゲイの少年が青年になるまでの物語だったし、去年の『サウルの息子』だってまったくそういう映画だったし、『ラ・ラ・ランド』だってライアン・ゴズリングとエマ・ストーン以外を覚えている人なんていないだろう。
で、別に「わたし」の物語であること自体には何の問題もないんだけど(そもそも物語には主人公が必要だからだ)、ただ、撮り方、演出が気になるのである。
主人公を接写して、被写体深度は浅く、主人公が動けばステディカムで追いかける。画面を見つめればその顔を大写しにする。重低音を効かせてトラックアップ。
あまりにも貧しすぎんか。それが映画なのか。
俺は映画ではないと思う。