Fleet Foxes - "Crack-Up"
2000年代は(少なくとも2010年あたりまでは)インディーロック全盛期だった。
あのテイラー・スウィフトだって「With some indie record that's much cooler than mine」と歌っていた。
ところが2010年代になって”ロック”なるものはかなり衰退したと思う。国内では相変わらずグルーブのグの字もない四つ打ちロックバンドが盛んだが、世界ではそうじゃない。
ここ数年でドリームポップの後追い的に、マイブラ、Slowdive、Ride、Lush等シューゲイザーバンドの再結成が相次いでいるが、イマイチ盛り上がりに欠けるわけで。
これは感覚の問題ではなくて実際データにも表れている。
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といった現状の中、まさしく00年代のインディーロックブームを牽引した(と、こういうロッキンオン的な言い回しは嫌いだけど…)Fleet Foxesの新譜が6年ぶりに出たのである。
一言でいえばほんとに素晴らしいと思う。
彼らがやらなきゃ誰がやるんだという音楽。ハッと目が覚めるような美しいコーラス、メロディライン、一転して深遠な森に迷い込んでしまったかのようなアンビエントパート。( Third of May / Ōdaigahara)
「Cassius,-」にうっすらバックで流れる蝉の声や水の音。ほんとうに良くできてる。
「ON ANOTHER OCEAN (JANUARY / JUNE)」の転調なんかは美しすぎて涙が出てしまう。
というかこのアルバム通して、”転調”がとてもとても素晴らしい。今回のプログレッシブなアプローチは総じて完璧に成功していると思う。
ただ、ピッチフォーク以外のメディアでは割と評価が高くない。
時代の流れかもしれない。しかし、時代の流れとは別にほんとうに良いものを評価するべきだろう。
Fleet Foxesは世の潮流とは全く別のところで孤高に佇んでいる。
個人的上半期ベストアルバム。
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